近年、SNSやYouTube、セミナーなどで「会社員でもできる節税術」としてワンルームマンション投資が盛んに紹介されています。
「年収1,000万円以上なら節税メリットがある」「不労所得で将来の年金対策にもなる」――そんな甘い言葉に誘われて、不動産を買ってしまった人も多いのではないでしょうか。
しかし、本当にその不動産投資、節税になっていますか?
むしろ節税どころか、大赤字を垂れ流している可能性すらありますよ。
ブログ管理人:藤井
業者に言われるがままワンルームマンション×5戸、一棟マンション×1棟を購入。一時期は毎月20万のCFを得るも、保有していた不動産の家賃延滞が発生。その後延滞分を回収することが不可能になり、実質不払いに。その補填のために一発逆転を狙い、300万円の借金をしてFX自動売買ツール購入するが上手くいかず撃沈。
毎月の返済で収支が赤字続きだったため、損切りして不動産を全て売却。今は家族を第一に謙虚に過ごしています。
不動産の売却には魔物が潜んでいます。。囲い込み、高預かり、違約金詐欺、買い叩き・・・・当ブログでは私の経験をもとに失敗しない売却方法をお伝えしています。


「節税できる」は半分ホント、半分”詐欺”
不動産投資では、減価償却費やローンの利息、管理費や固定資産税などが「経費」として計上できるため、所得税の課税所得を圧縮することが可能です。
しかし、これは見かけの話にすぎません。
現実には、以下のような「落とし穴」があります。
節税以上の手出しがある
都内ワンルームマンション投資の一例を見てみましょう。
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物件価格:3,000万円(ローン借入)
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家賃収入:月額9万円
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ローン返済:月額109,316円
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管理費・修繕積立金:月額12,000円
→ 収支:月額 -31,316円
ここにさらに固定資産税(月1万円前後)がかかるため、実質月4万円の持ち出しになります。年間にすると約48万円の赤字です。
上記の物件の場合、課税所得を100万円ほど下げることが可能なため、年収1,000万円の人であればざっくり30万円ほどの節税になります。持ち出しの方が高くなりますね。。
後述しますが、万が一物件の管理形態がサブリース契約の場合は、不動産会社から一方的に家賃を引き下げられるリスクがあります。もし下がれば上記よりもさらに手出しが増え、節税額以上の損失が拡大します。
ローンの利息も年々減る
投資用マンションでは「元利均等返済」が一般的です。これは返済金額を一定に保ちつつ、借入元本とローン利息の割合が変化していく返済方式です。
返済初期は返済金額のおよそ半分が利息の支払いになっており、年を追うごとに利息割合が下がっていきます。
つまり、経費として落とせる利息部分は年々減っていくため、「最初だけ節税できたが、途中から課税所得が増えてしまった」というパターンに陥るのです。とくに築年数が浅いマンションの場合は減価償却費が少なく、『増税』に転じる時期は早まります。

不動産投資は節税になるが、それ以上に損をする
不動産投資は確かに節税にはなりますが、それ以上の手出しが発生すること、経費計上できる金額は年々下がっていき、節税効果は薄れていることから、節税はできるが損をする、と言うのが正解です。
加えて、近年では物件販売時にサブリース契約をセットにするケースが急増しています。サブリース契約で不動産投資をすると更なる地獄が待っています。
サブリース契約により、不動産の負債化が確定
多くの業者は物件販売時にサブリース契約を勧めてきます。
サブリース契約とは「空室時でも家賃を保証します」と言う契約です。
この契約は一見すると「空室時も家賃保証がある」安心材料のように見えますが、実態はまったく異なります。
「家賃は保証するが、家賃額は保証しない」
これがサブリースのカラクリです。
契約には「2年ごとに家賃を見直す」といった条項が含まれており、販売後すぐに業者の都合で家賃を下げられることが可能です。
物件価格は「利回り計算」で決まります。
たとえば利回り4%で計算されている場合、月額家賃が1万円上がると物件価格は300万円上昇します。
業者はこのロジックを悪用し、販売時に家賃を意図的に高く設定し、物件価格を吊り上げてから投資家に販売。その後、家賃を引き下げるという手法をとります。
これは「逆サブリース」と呼ばれる手口で、保証家賃が入居者から得ている実際の家賃より高い場合がほとんどです。
このような仕組みがあるにもかかわらず、業者から提示される収支シミュレーションは、家賃が下がらない前提で作られているのが現実です。
サブリース物件は「売却」すら難しい
もう一つの問題点は、サブリース契約を結んでいると、入居者情報が開示されないということです。
不動産会社は入居者情報を「守秘義務」として伏せることができるため、いざ売却しようとしても、買主は「どんな人が住んでるのかわからない物件」にお金を出すリスクを嫌い、取引を避けがちになります。結果、価格を思いっきり下げないと買い手がつかない物件になってしまうのです。
実際に、サブリース物件が風俗営業に使われていたというニュースもありました。これでは資産どころかリスクの塊です。
【まとめ】“節税できる不動産”という幻想に要注意
「不動産投資で節税できる!」というセールストークが蔓延していますが、
現実には「節税効果以上に手出しが増える」が正解です。
また、節税効果を高めようとすると、
- 資産性の低い築古物件
- 相場より割高な物件
を購入することになります。
つまり節税のために“買ってはいけない物件”を買っているという矛盾に陥るのです。
さらに、サブリース契約であれば強制的に家賃を下げられるリスク、売却すらできないリスクも発生します。
結局、おいしい話など存在しません。
不動産業界には、法律のスキマを突いて利益を得ようとする業者が多く、素人が勝てる市場ではないのが現実です。
だからこそ、あなたがサラリーマンなら、絶対に不動産投資に手を出すべきではありません。
【まとめ】
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節税目的の不動産投資は、初期数年を過ぎると逆に増税リスクすらある
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節税目的の不動産投資は本末転倒
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投資は「儲かる」ことが大前提であり、「節税できるから買う」は危険な思想
不動産業者に「節税できますよ」と言われたら、まずは一歩引いて考えてください。
本当に必要な不動産ですか? その物件、本当に将来売れますか?
節税という名の「赤字ビジネス」に騙されないようにしましょう。
ワンルームマンションは絶対にやってはいけない投資です。もし今ワンルームマンションをお持ちなら、損切りしてでも手放してください。
ワンルームマンションは月々の手出しがマイナスである上に、資産価値も老朽化と共に下がっていきます。少しでも早く売却することがダメージを最小限に抑える最適解です。
私も持っていたワンルームマンションは手放しました。もちろん数百万円のローン残債が残り、家族からお金を借りて完済しました。それでも持ち続けるよりは良い解決策だったと今でも確信しています。
もし今持っているワンルームマンションで、月々の手出しが発生しているなら、今すぐにでも売却してください!ただ売却先もキチンと選ばないと詐欺にあってしまう可能性があります。。
もし売却でわからないことや相談したいことがあったら、LINEで相談に乗ってますよ。